国鉄解体まで残り1か月となって、何でか無性に只見線へ行きたくなりました。初訪問なので地理は全くの不案内。地図を睨んで、只見川に架かる八つの橋梁を中心として撮影に取り組むのが無難そうです。
起点の会津若松、終点の小出、さてどちらから入るのがいいのか。効率よく、一番列車に乗るのがベストなのですが、時刻表をめくると、ちょうどこの時期、小出行きの臨時列車が深夜便で運行されていました。これならば、小出発05:48の一番列車に乗車できます。
臨時急行「小出スキー号」は上野発22:39、終点の小出到着は03:10。
列車愛称名にふさわしく、乗客のほとんどがスキー客で、仲間たちと楽しげに乗車する様に、ちょっと肩身の狭い思いをしてしまいます。
隣のホームには臨時急行「スキートレイン猪苗代」が入線。「シュプール号」花盛りな時代、他にも各種スキー列車が運転されていました。
大勢のスキー客を乗せて、列車は北を目指します。
この駅で自分以外の乗客は全員、下車しました。真夜中なのに、どこへ行く?って感じです。
あれだけ賑やかだった車内は一気に回送状態となってしまいました。6両編成に乗客は自分だけ。貸し切り状態💛などと喜んではいられません。これはこれで結構心細いものです。本当に回送列車で、このまま車両基地へ連れていかれたらどうしよう・・・とか。
出張先で初めて乗った路線バスで、終点とも分からずにそのまま乗っていて、危うく車庫まで連れていかれそうになったことはあります。その時には運転手さんが最寄の停留所で止めてくれ、乗り継ぐバスを教えてくれたので、遅刻せずに済みました。
03:10、たった一人きりで終点の小出駅に到着。駅舎内には明かりが灯り、ホッとします。05:48発の会津若松行きまで2時間半、駅前は暗く、することもないので、ベンチで仮眠をとって待つことにします。
昭和62(1987)年2月27~28日