田山での撮影を終えて兄畑へ移動します。
14:39 田山駅 1937D
兄畑は隣の駅ですが、駅間が6.7kmあり、歩くには時間的に余裕がありません(体力には自信有、ただし、当時)。湯瀬まで行かねばならなかったからです。
14:48 兄畑駅 1937D
当時は3両を組むほどの利用客があったんですね。
兄畑駅
次の列車まであまり時間がなく、米代川を渡るシーンを撮ろうと、一旦、田山方面に戻ります。
15:08 田山←兄畑 1942D
素直に線路に平行する道路橋から撮ればよかったものを、わざわざ急斜面にへばりついて撮りました。抜ける場所を探しているうちに時間切れとなった次第。ああ。
次の列車までは1時間近くあるので、国道282号線を湯瀬方面へ歩きます。駅間は4.1kmなので、余裕です。ところが1kmも歩かないうちに、東北自動車道の奥に伐採地でしょうか、白い斜面が見えました。お手軽な俯瞰撮影ができそうです。国道と東北自動車道との間には米代川が横たわり、行く手を阻んでいるのですが、ストリートビューを見ると小さな吊り橋が架かっており、おそらくこれを渡ったのでしょうね。全然記憶にありませんけど。
16:03~04 湯瀬→兄畑 1944D
東北自動車道の下をくぐるとすぐに斜面ですが、雪に覆われた斜面はそこそこ急で、しかも固くなっていて滑りやすいので、余計な荷物は下に置き、ショートズームを装着したカメラ1台だけを持って上がりました。そこは期待通りに見通しが良く、つい30コマもシャッターを切ってしまいましたよ。撮影後は斜面を滑り降りて、わずか10数秒で戻りました。
17:04 湯瀬←兄畑 1943D
列車の向こう側に架かる赤い橋が国道282号線。背後には東北自動車道の橋梁があります。全く記憶になし。
17:45 湯瀬→兄畑 1946D
その次に架かる橋のたもとで。もうすっかり暗くなり、後撃ちではフラッシュを発光させてみました。これはちょっとは覚えています。
湯瀬駅
現在は「湯瀬温泉駅」と改称していますが、駅舎は今でもこの当時のままのようです。18:41発の快速「八幡平」に乗車します。この列車は兄畑駅を通過するので、湯瀬駅まで来るしかなかったのです。
19:00 陸中花輪駅 3945D(快速「八幡平」)・948D
陸中花輪駅では荒屋新町行きの948Dと行き違います。陸中花輪駅は花輪線の由来だけに「花輪駅」でいいと思うのですが、今は「鹿角花輪駅」に改称されています。
漫画「ちびまる子ちゃん」の花輪君は、漫画家花輪和一氏の名前をもじったものだと思いますが(丸尾君は同じく丸尾末広氏からのものと推測)、苗字の美しさとは裏腹に、花輪和一氏はおどろおどろしい内容の作品を描く、前科一犯のおっさんです。銃刀法違反でね。でも、作品のオリジナル性は非常に高く、その芸術性は先の愛知トリエンナールに出品された、一部の低俗かつ下劣にして愚弄な作品など足元にも及びません。刑務所での生活を描いた「刑務所の中」では、その様子が微に入り細に入り描かれており、その記憶力には驚くばかりです。また鉄道への興味も少なくない様で、「C62ニセコ号」を舞台にした短編では、精密な描写で車両を描いています。
この日は大館に宿泊し、翌日の奥羽本線の撮影に備えました。
昭和62(1987)年3月7日