ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

急行ニセコ乗車

親戚の家を訪ねるために、両親と共に急行「ニセコ」に乗車しました。といっても乗ったのは札幌から小樽までの、ED76が牽引する区間だけでした。
小樽で列車から降りると、すぐさま父に連れられて列車の最前部へ。ちょうどED76が去って、C62が重連で列車に連結されるところでした。圧倒的な迫力というのはこういうのを指すのでしょうか。停車しているだけなのに、蒸気を吹き上げているだけで怪物のような威圧感にたじろいでしまいます。

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小樽駅
当時、札幌車掌区に勤務していた父は、この急行「ニセコ」にも乗務しており、たびたび「今日は沿線に一杯カメラマンが来ていた」というような話をしてくれるのですが、イメージが全くわかない私は「ふ~ん」と聞き流すことしかできませんでした。しかしこうして実物を目の当たりにすることで、あの時の父の言葉の意味が実感として少しは理解できました。当時は鉄ちゃんのことを汽車キチなんて呼んでましたっけ。

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前補機は幸運にもスワローエンゼルことC62 2号機でした。本当にツバメが付いている!それだけで何だかスターに出会った気分でした。汽車キチがクソ寒い中でも、沿線でカメラを構える気持ちがちょっとだけ理解できたように思いました。

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本務機は44号機。
C62の何号機が小樽築港に居るなんてことなど全然知りませんでしたし、2号機以外は「以下同文」みたいな感じでしたので、他のナンバーに格別思い入れはありませんでした。でも、その迫力は他の機関車とは明らかに格が違いました。

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先を急ぐため発車を見送ることは叶いませんでしたが、この時の感激は、45年以上経った今でも忘れられません。

しかし、中学生になる年頃の私には、鉄ちゃんとして撮影を始めるにはまだ背中を押してくれる何かが足りず、年末まで休車状態になるのでした。

昭和45(1970)年3月23日 小樽駅