ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

砂川は雪だった

意識が朦朧としたまま砂川で下車。ホームの寒さで我に返り辺りを見ると、うっすらながら雪が積もっていました。こりゃ寒いわけだ。ゆうべの追分駅も寒かったけれど雪はなかったし、今日も寒さ漬けだねえ。
一旦改札を出て入場券を買い、上砂川支線のホームへ行きます。お目当ての5981列車が発車待ちをしておりました。どこかいい場所はないかと辺りをウロウロ。他のファンの邪魔にならないところを探すのですが、なかなか見つかりません。

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砂川駅 5981列車 D51 297
ホームから降りて、ファンの視界に入らないように移動します。何やら遠くから「どけー」だの「線路からはなれろー」だのと絶叫する声が聞こえます。その声のしわ枯れ具合から年配者のようです。この時期に理想を求めるのは遅過ぎでしょ。いい年こいて、そんなことも分からないのか。

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同上
もう発車まで時間もないので、このまま少し盛り上がっている笹薮の中から狙うことにします。

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砂川→下鶉
結局、すっきりと見通せる場所は見つけられないまま、録音優先として場所を決めます。先ほどのオヤジ鉄が相変わらずやかましく、なかなかレックボタンが押せません。発車時刻ギリギリに押そうと構えたところで汽笛一声。ありゃりゃ、いい汽笛だったのに録り損ねてしまいました。

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単5680列車 D51 38
ホームに戻り、単機回送を捉えます。迎える駅員さんの姿が凛々しいです。

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D51 38と 急行「かむい2号・ましけ」
まもなくすると上りの気動車急行が到着し、D51と顔を並べます。二大スターの競演と呼ぶには大げさですが、煤だらけの老兵と脂ののったキハ56系とは好対照です。

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やがてD51 38は移動し、転車台で向きを変えます。砂川駅は、歌志内線と上砂川支線の始発駅なので、転車台が設置されています。かつては多くの終着駅に転車台と機回し線があったようですが、今やローカル線はほとんどが気動車化されており、そういった設備は不要となりました。

朝方、オヤジから罵声を浴びせられていた若い集団も先ほどまでここで撮影していましたが、次の撮影のためでしょう、どこかに姿をくらましてしまいましたので、このシーンは独り占めです。

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次の運用まで時間があるので、機関士さんも機関助士さんも休憩するようです。機関車は次の仕業に備えて給水中。

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19667は入換用です。陽射しが大地に注ぎ、朝方の寒さも幾分和らいでくると、雪はすっかり解けてしまいました。なんか気持ちいい、などとのんびりもしていられません。上砂川から列車が戻ってきます。

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砂川←下鶉 5982列車 D51 297
石炭は満載ですが平坦地なので煙はなく、まもなく砂川に到着するところです。

撮影を終えて一段落したところで、眠気が襲い掛かってきます。
駅のベンチで寝ることも考えたのですが、眠くて歩く気力すらありません。撮影の場所探しをしていた時に見つけた、すぐ近くの橋の下が適度な枯草で覆われていて寝るには感じがよさそうです。風も凌げるし目覚まし時計をかけてどっこいしょっと。

目覚まし音に起こされて40分ほど眠ったものの、いまだ眠りし寒いし、どうにも辛いです。ここでこのまま眠るには天気も怪しくなってきたし、仕方ないので駅に戻ることにします。
駅の中はストーブで暖かいのですが、空いている席は改札口に一番近いところにしかありません。でもまあ外で眠るよりは安心かと。でも甘かった。改札の度に外の冷たい風が吹き込んできて、あまりの冷たさにその都度起こされてしまいます。
それでも、なんだかんだで1時間以上は眠ったことで幾分スッキリし、次の撮影に向けて席を立ちます。

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歌志内線 焼山→砂川 5682列車 D51 38
駅の北側で歌志内線の貨物列車を撮ります。こちらが眠っている間に、D51 38はちゃんとひと仕事を終えてきました。

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831列車 ED76 518
歌志内線の折り返し下り貨物列車を撮影するために、このまま留まります。写真には録音するためのマイクが写っています。貨車が、いい風よけになってくれます。

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滝川←砂川 単9785列車? D51 297+D51 38
歌志内線の貨物列車は、その時刻になってもやってきません。そのうち、上砂川支線のD51297を前にして、D51 38は滝川に単機回送されてしまいました。
せっかくの録音を聞いてみると、右マイクの端子がキチンと差さっていなかったようで、左音しか聞こえません。おまけに通過前にテープが終っていました。半端なくガッカリです。

この日の運用は先ほどの列車で終わったようですし、仕方ないのでうなだれるように駅に戻ります。とその時、汽笛が鳴り響きました。どうやら入換が始まるようです。

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砂川駅 19667
入換は予定外でしたが、肝心の列車が撮れなかったその埋め合わせには十分です。雪がパラついてきていい雰囲気になってきました。待ちぼうけをくった寒さも帳消しです。そんな入換に見とれていた時、目の前を貨物列車が追い越してゆきました。

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砂川→豊沼 列車番号不明 ED76重連
あっと思って慌ててシャッターを切ります。ED76の重連を初めて見ました。ちょっと興奮。でもキチンと撮影できなかったことに後悔。もともと重連総括ができる機関車ではありますが、重連仕業しなくてはならない運用はなさそうなので、これは回送なのでしょう。

期待した列車が撮れなかったり、逆に予想もしなかったシーンが撮れたりと、色々あったこの日の撮影でした。
もう蒸機の貨物列車はここにはいないので、予定を3時間繰り上げて滝川へ移動することにします。滝川駅の待合室で少しは睡眠が取れるかな。でも何か鼻がムズムズしてる。

昭和50(1975)年11月23日 砂川