ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

本日のスキャン 特急の窓が開く

国鉄の特急形車両では客室の側窓が固定されています。151系電車以来の仕様です。ところがそれに反旗を翻した車両がおりました。185系電車です。通勤にも使ってしまえという無茶な設計思想で誕生した形式ですが、塗装の塗り分けもこれまでにない斜めストライプを採用し、色々な意味で驚かされたものです。空調はしっかり利いていますから、実際に窓が開いている状態を目撃したことはありませんが、でも、側窓が開く車両は、実は北海道にもありました。それもごく身近に。
183系気動車781系電車がそれです。ただし、どちらも試作車だけに採用されたものでした。

イメージ 1
クハ780-901
試運転の時の写真です。スキャンして初めてこんな写真を撮っていたことを知りました。一か所だけ側窓の上三分の一の小窓が内側に開いています。
これは夏場に冷房が故障した際に外気を入れるための風取入用窓で、各車両とも片側2箇所がこの窓構造でした。この翌年に登場したキハ183系の試作車も同様の窓構造となっていました。

後の量産車では両形式ともこの側窓は設けられませんでしたが、実際に冷房が故障した時には他の車両に移ってもらうなどして対処したという話を聞きます。冷房故障でクソ暑い車両に乗せられた場合、確か特急料金が払い戻せたはずです。
試作車の中には普通の側窓に交換された車両もありました。

それにしても札幌の11月初めに、風取入用窓を開けるほど、車内は暑かったのでしょうかね。

昭和53(1978)年11月3日 札幌駅