ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

C56 160を苗穂工場で発見!

北海道鉄道100周年の記念行事は、いよいよ最大のイベントを迎えることになります。C56 160牽引による記念列車が小樽~札幌間で運転されるのです。北海道に蒸機列車が走るのは、昭和50年12月以来、およそ5年ぶりとなります。
それに先立ち、C56がいつ苗穂工場に入場するのかというのが気になって、学校帰りにちょくちょく偵察に訪れていました。甲種輸送などという情報もなく、刑事のように張り込みするしかありませんでしたが、11月14日、遂に犯人もといC56の姿を確認しました。跨線橋の上から工場の中を見ているのももどかしく(寒いし)、工場にすっ飛んでいきました。正門で守衛さんに「中で撮らせて」とお願いすると「いいよ」との返事。この時代は何と素晴らしかったことでしょう。

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梅小路蒸気機関車館で動かない姿しか見たことがありませんでしたが、遂に生きた姿を拝むことが出来ました。長生きはするもんじゃのう。

C56は昭和10(1935)年、苫小牧機関区に1~5号機が新製配置されました。日高本線で旅客・貨物輸送に活躍し、北海道には縁の深い機関車です。その後も増備は続けられ、幌延、厚岸、標茶、帯広、深川、静内、岩見沢、苗穂、長万部木古内の各機関区へ配置され、道内各地で広範囲に活躍しました。
しかし、太平洋戦争時に軍からの要請で多くのC56が道内からも東南アジアへ供出されると、昭和15(1940)年に53両の配置だったのが、昭和20(1945)年にはわずか10両の配置と激減してしまいました。
道内最後のC56は苗穂機関区所属の112号機と137号機で、主に札幌駅構内の入換に従事していました。しかしDD13が進出してくると昭和39(1964)年には稼働する機会も減って、昭和40(1965)年に廃車となりました。(以上、「蒸気機関車 No.36」より)
いわゆるSLブーム以前に北海道からはいなくなったり、戦後は専ら駅の入換用だったために、鉄道ファンにはあまり馴染はないようです。昭和30年代は明治時代の輸入機関車が北海道に数多く残っていたので、当時の鉄道ファンの興味はそちらへ向くばかりで、道内で活躍したC56の記録写真は極めて少ないようです。

肝心の160号機についてはググって下さい。

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構内試運転というよりも足慣らしで何度も往復しました。

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私の他にも部外者はいたようです。画面右端の肘がそれを物語ります。

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工場関係者の記念撮影。

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鉄ちゃんのサガ、他の車両にも目が行ってしまいます。
ピカピカのDD14。

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DD13 159(苫小牧機関区所属と思われます。)

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この時、メタルデンスケで録音もしていました。しかし風が強くて、ボコボコ音がなかなかのものです。(泣)

このあと工場を出て、一旦苗穂機関区に立ち寄った後で小樽築港機関区へ自力回送します。

昭和55(1980)年11月14日 苗穂工場