ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

北海道一周号

今回も真面目にビデオ静止画から。真面目なんですよ~、これでも。看板に偽り有になっちゃいますけどね。そこはお見逃し下さい。

平成24(2012)年7月から始まった「北海道ディスティネーションキャンペーン」の景気づけに運転された団体臨時列車「北海道一周号」を追いかけた時のものです。

まずは7月1日に急行「北海道一周ニセコ号」が函館から札幌まで山線経由で運転されました。牽引機はDD51 1142で、客車はハザ3両、ハネ2両の5両編成。全行程、同じ車両での運行でした。9903列車
イメージ 1
10:25 黒松内←蕨岱
無理のない追いかけを考えると、長万部以南で撮影するのはキツイということで、蕨岱から撮影を開始しました。到着した時には車が1台だけ、道路脇の空き地に止めあるだけで、我々(友人の車に便乗した)が2番目でした。でもファンが集まるのは分かっていたので、場所を独占できる陸橋のたもとにカメラをセットしました。ガードロープの外側なので、線路に転がり落ちる可能性もありますから緊張します・・・というほど危険な場所ではないですけどね。それまでさほど混んでもいなかったのが、列車通過の数分前になると突然、何台も車がやって路駐しだしました。バタンバタンとドアを閉める音が煩い。函館方面から追っかけてきた連中です。陸橋の上ではバタバタし、やおら賑やかになりました。しかし列車が通過すると、あっという間に連中はまさにクモの子を散らすように消えてしまいました。しんがりの出発となった我々は次の目的地へと車を走らせました。

イメージ 2
11:24 ニセコ←昆布
あまり人が来ないだろうという場所へ行きました。たとえ居たとしても何とかなる場所です。したっけ、すでに先客がごっちゃりいました。予感大外れ。でも、線路に沿った小道を知っていたので、車を降りて踏切から奥へ入り込んで無事撮影。先客にはちゃんと断って場所を選びましたよ。

イメージ 3

イメージ 4
12:46 ニセコ→比羅夫
幾ら何でもここには来んべ。「C62ニセコ号」の時にはそれなりに来た人もいたでしょうけど、踏切から結構距離があるのと途中で道が心細くなるので訪れるファンは少ないはずで、「SLニセコ号」を何度か撮影しましたが、ここでファンに会ったのは5回中1回だけでしょうか。この時には線路到達数百m手前で倒木が道を塞いでいたので、車を降りて歩いて辿り着きました。徒歩では決して一人で来たくない場所です。
線路際に群生するイタドリなどを蹴散らして場所を確保、トンネルを真正面に見える場所でカメラを構えました。

イメージ 5
14:47 小樽築港→朝里
海を入れての撮影もしたいので、お手軽なこの場所へ。すぐ横に駐車できるし。可能ならば張碓駅跡に行きたいところですが、国道から入る私道は立入禁止になっていた筈なので諦めるしかありませんでした。

イメージ 6
18:34 発寒→稲積公園
最後は札幌運転所への回送列車で締めます。後ろの陸橋の上でカメラを構えるファンの姿を見かけました。ウチらの姿もしっかり入っているでしょうな。

翌2日からは平日なので相棒はおらず、一人で追いかけます。
この日は急行「北海道一周狩勝号」となって札幌から釧路まで、滝川経由で走ります。どんなヘッドマークかと思いましたが、完全なオリジナルですね。9603列車
イメージ 7
9:23 光珠内→美唄
平日だからそんなにファンも来ないべと高をくくっていたら、一人だけこの場所にやってきました。でも、ファンというよりも普通の地元の人のようでした。撮影する格好がいささかぎこちない感じでした。撮影を終えると急いで追いかけます。少しでも時間を稼ぐために国道ではなく裏道を使います。高速は使いません。

イメージ 8
10:30 茂尻←赤平
やはり炭鉱を外すわけにはいきません。しかし、久々に訪れたパチンコ屋裏のこの場所は、今やすっかり樹木が成長し、炭鉱の立坑やぐらがちょっとしか見えなくなっていました。住友赤平炭砿跡です。

イメージ 9
12:52 広内(信)←新狩勝(信)
狩勝峠も外せません。しかし現場は軽く霧の中。広内信号場辺りで狙うのが無難だったのかもしれませんが、山の中のシーンが欲しかったし幾分列車は見えそうなので腹をくくります。線路近くには先客が陣取っていたので離れて撮りました。列車が通過している最中に車が一台やってきて、ドアをバタンバタンとやかましいわい。

イメージ 10
14:29 帯広→札内
札内川です。これでも事前に地理的に特徴ある場所を、停車駅などを考えて追っかけしているのです。なので、初めての場所は選びません。

イメージ 11
16:25 古瀬駅
多くのファンは尺別の丘にいるだろうし、馬主来湿原もきっと霧が覆っているだろうと考え、静かに接近戦が可能な古瀬駅へ。案の定、先客は一人だけでしたので助かりました。他には陸橋の上にも一人姿が見えました。この日最後のカットは霧雨の中を通過する列車でした。とはいえ、せっかく来たのだからと少々粘って定期列車も押さえておきました。悪天候の時には遠望での撮影ができないのが残念です。

白糠で燃料を満タンにしてから東庶路信号場近くの道の駅「恋問」で車中泊をして、3日は急行「北海道一周大雪号」を追いかけます。釧路から釧網本線石北本線経由で札幌へ向かいます。かつては気動車急行「大雪」の一部が同じ経路で釧路まで運転されていました。網走までは9710列車になります。
イメージ 12
9:57 川湯温泉→緑
道路地図を見ながら、走ったことのない国道ではない道で釧路湿原を突っ切って弟子屈に出ます。後は国道391号線に乗っかって川湯温泉到着です。まだだいぶ時間が早いのですが、アサトヌプリがちょっとでも入ればいいやと思い、適当な踏切近くに車を止めて線路際の蕗を蹴散らして場所を確保します。雨上がりなので正直、あまり気持ちはよくないのですが、なんせカタツムリが苦手なので、でも好き嫌いを言っている状況ではありません。踏切なので他にファンがやってくるのは覚悟の上。正面気味ならば列車の邪魔にはなりません。3本の普通列車と「ニセコエクスプレス」を撮りながら待つこと3時間半、ようやく本命が姿を見せました。左側のファンは既知の人で挨拶済みですが、右側は追っかけ鉄で列車の通過直前に出没し、撮影後、速攻で去ってしまいました。

イメージ 13
11:16 原生花園←浜小清水
オホーツク海バックの止別小俯瞰もいいけど、花を入れたいと思い、それらしい場所を散策してここに決定。車は近くの駐車場に止めています。

釧網本線に別れを告げて石北本線に入ります。途中、川湯温泉で見かけた追っかけ鉄が猛スピードで私の車を追い越して行きました。レンタカーなので内地鉄でしょう。
イメージ 14
13:25 常紋(信)←金華 9512列車
石北本線といえばやはり常紋となりますが、信号場は立入可能か分かりませんし、可能ならばファンがごっちゃりいるでしょうから、そこは避けて、手前の金華側にある何度か行ったことのある俯瞰場所へ行きました。駐車した道路には他にも何台か車がありましたが(駐車スペースがある数少ない場所でもあります)、彼らは線路を越えて有名撮影地へ向かったのでしょう。そこはいい場所ではありますが、追っかけができなくなります。
さて、斜面は何だか鬱蒼としています。こんなに木が多かったっけ?ヤな予感。登りつめてあ~らびっくり、息を荒げて辿り着いた場所からは、樹木が伸びていて線路がほとんど見えなくなっていました。で、こんな絵に。

イメージ 15
15:40 中越(信)←上越(信)
人のいない場所へ、ということでここに。ここに入る道は狭くて暗いので分かり辛いのですが、駐車スペースは広くて明るく、列車をのんびりと待つには格好の場所です。もっとも、ここは駐車場ではなく、JR北海道が保線で使う場所なのでしょうけど。お邪魔します。

イメージ 16
16:10 中越(信)→上川(天幕駅跡)
線路際の列車撮影だけではなくて、変化のある絵が欲しかったので天幕へ。草ぼーぼーだったので、最初は通り過ぎてしまいました。

イメージ 17
16:49 中愛別←愛山
石狩川も外せませんね。画面左側では橋の近くに群衆がいましたが、ここは閑散としていました。水量が少ないので、かすかに聞こえる警報機の音で列車の接近が分かります。

イメージ 18
17:21 伊香牛←愛別
素直に踏切で撮ろうかどうか迷いましたが、やはり先客がいたり、ギリギリの追っかけ鉄に邪魔されるのがイヤだったので、誰も目もくれない風景的な絵を狙いました。でもこれはちょっと残念な結果に終わりました。

イメージ 19
18:24 伊納→納内 9512列車
撮影を終えた積りで、比布で燃料を入れてぷらぷらと帰途に就いたのですが、何か心に引っかかったものがあったので納内の手前で時刻を調べると、まさに列車が通過する時刻になっていました。とっくに行ったものと思い込んで、ちゃんと時刻を確認していませんでした。急いで撮影できる場所に移動したところで踏切が鳴り出し、すぐに三脚をセット、何とか写せましたが、まあこんな撮り方ですからそれなりです。

最終日の4日。札幌発函館行きの急行「北海道一周エルム号」です。本来なら「北海道一周すずらん号」が適当だと思うのですが、「すずらん」は781系だったりSLだったりしますから、やむを得ずといったところでしょうか。「樽前」じゃ古過ぎだし夜行だし認知度ないし。
イメージ 20
10:17 植苗←美々 9912列車
このヘッドマークではやはり特急列車ですよ。
この日は追っかけは無理と判断して一か所での撮影に絞りました。ヘッドマークをキッチリ撮るのにはやはりカーブ狙いがベストなので、美々か植苗のカーブ辺りを考えました。正直なところ、胡散臭い列車名に血沸き肉躍るほどの盛り上がりには欠けておりましたから、近い方の美々側を選びました。すでに先客がチラホラおりましたが、先方の邪魔にならないかを確認した上でカメラをセット。呆気なく撮影は終わりです。考えてみれば、日中に14系客車が走ること自体が珍しいことではあるのですが、この3日間の撮影で燃え尽きた感があり、惰力で撮影したようなものです。そんな時はオーソドックスな撮影が無難です。

「北海道一周号」とはいえ、流石に稚内根室までの運行となると色々と営業的にも運用的にも大変だったんでしょうねえ。ほどほどの一周列車でした。
あれから、こういう長距離のツアー列車も走らなくなり、勿論客車による列車はノロッコ号以外は絶滅してしまいましたので、すっかり思い出の列車・走行シーンとなってしまいました。
動画は随分前にYouTubeにアップ済です。興味のある方は捜してね。