いつの時代でも「昔は良かった」とため息をつく鉄道ファンの何と多い事でしょう。私も勿論その中の一人ですが、私が思う至近な「良かった昔」というのは、国鉄特急色に復元されたキハ183系が走り回っていた頃でしょうか。
国鉄色キハ183系が快速「ミッドナイト」の運用に就いたのは年末・正月などの限られた期間で、当然ながら深夜から早朝にかけての運転でしたので、時期によっては撮影が厳しかったものです。そのうち「ミッドナイト」は廃止されて、キハ183系自体の運用が減ってしまいました。そんな中でも、初夏の修学旅行のシーズンには国鉄色車を混ぜた編成が、日中堂々と千歳線や山線を走っていました。
130km/h運転の嚆矢となった785系電車も、引退のカウントダウンが始まろうとしています。130km/hの走行性能を有する一般形電車たちも、今や本領が発揮できません。
「カシオペア」独り身には「乗るのはちょっと・・・感」があった列車。
「トワイライトエクスプレス」は改造車の中では最高の列車でした。「おもてなし」に溢れ、リピーターも少なくなかったとか。乗ったことはありませんが。
「スーパーおおぞら」はほとんどの列車で増結をしており、9両編成は当たり前で、たまに10両編成が130km/hでかっ飛ばしておりました。
「北斗星」は青函トンネルの開業に合わせて登場した、北海道初の寝台特急列車であり、感慨深いものがありました。それまで北海道の夜行列車といえば、全て急行列車でしたから。「北斗星」には団体扱いのイレギュラーもあり、「夢空間」の他にもDD51単機牽引の短い編成が走ったこともあります。特別な定期列車として「北斗星まりも」には感動しました。
たった10年ほど前のことなのに、随分と車両の新陳代謝が進んでしまいました。
平成19(2007)年6月2日 白石~苗穂