会津塩沢駅に到着すると雪は止んでおり、風景はくっきりしゃっきり。これは何だかいい予感。
気分がいいと気持ちに余裕ができて、駅の様子を何枚か撮影してから現地へGO!
蒲生岳を背景にした只見川第八橋梁。川は渡らずに、険しい山から身を避けるように川に沿って線路は走ります。国道252号線の橋梁からの光景は、これはこれで十分絵になるのですが、あまりにも楽して撮るのはイケナイと思い、列車が来るまでまだ1時間ほどもあったので、少し場所を探すことにしました。
川を渡り切った先、今は覆道となっている場所だと思いますが、小高い場所があったので、そこへ登ってみることにしました。がしかし、道路から一歩脇へ踏み出したところで、足がズッポリと雪の中へ。この当時、雪のシーズンには専らスノトレを履いていました。これだと、外観はスポーツシューズなので日中、都会を歩いていても恥ずかしくはないし、何より軽いのがありがたい。カンジキは使ったことがなく、ズッポリ埋るのは長靴でも同じだから、それならば軽いスノトレがいいじゃん、という理屈。そして足が冷たくなることはありません。それにしても若いというのは素晴らしい。ズッポリにひるむことなく、むしろ意地になって前へ進みます。さて、斜面。よ~く見ると、結構急です。でも、雪を踏み固めながら進めば何とかなるべ。とりあえず荷物は置いて、四つん這いになって手で上の雪を足元に掻きだし、それを足で踏み固めながらちょっとずつ上がります。案外さらさらなので、足元の雪は思ったほど固まらず、たまにずずずっと滑り落ちたりします。少し上がっては荷物を引き上げの繰り返し。途中、木の枝や幹に掴まりながらも思いのほか苦戦し、そうこうするうちに列車の時間が差し迫ってきます。やっべ~。何とか上に這い上がったところで下り列車のタイフォンの音。急いでカメラをバッグから取り出して露出合わせ・・・をしようと思ったら、眼鏡が汗まみれで視界は滲んでおりよく見えません。眼鏡を外してファインダーを覗くと、今度はファインダーが汗でみるみる曇って真っ白に。ああ、もうだめぽ。
2台のカメラで撮影した写真を交互に載せています。ファインダーは汗で曇ってお先真っ白、しかも裸眼で視界はぼんやり(視度調整可能なファインダーながらも調整する時間無し)、そんな状態ながら、よくぞここまで撮ったものだと、仕上がったポジを見て自画自賛したのでありました。ね、わりかし普通に撮れてるでしょ。
昭和62(1987)年2月28日