会津大塩駅から国道252号線に出ると、ひたすら会津塩沢を目指して歩きます。途中、線路はトンネルを潜って直線的に進むのに、国道はといえば只見川に沿ってそのトンネルのある山を迂回するように大きく遠回り(現在は滝トンネルでちょっとだけショートカット)。いささか癪ではあったけれども、次の列車まで時間はたっぷりあるので、これまた癪に障る雨がちの中をとぼとぼと歩き続けるのでした。でも、只見川沿いで見た紅葉の美しさは、天気の悪さへの不満と歩き疲れを十分に癒してくれましたよ。美しさの定義はともかく、美は人の心を大きく動かす魔法のようです。
そしてようやく第八橋梁。
この9か月前の国鉄末期、初めて只見線を訪れた時のことを懐かしく思い出してしまいます。そのスタートがこの場所でした。仙人が住んでいそうな蒲生岳は、相変わらずその偉容を惜しげもなくさらけ出しています。あの日は雪でこの日は雨。よくよく晴天には見放された気分ですけど。
第八橋梁を横狙いできる場所を探しましたが、ここで挫けました。足元は雨で濡れてるし、もう動くの面倒。
第八橋梁へ向かう途中に見つけた場所へ戻りました。ちょうど、山の中腹に道があって、そこからの撮影です。下の写真に写る只見川に架かるガーダー橋は、いまはコンクリートの立派な橋に変わっています。(ただし幅員の狭さは相変わらず。)写真には吊り橋の橋脚らしき遺構があるので、現在のPC橋梁は少なくとも三代目ということになりますか。それにしても、ストリートビューで現在の様子と見比べると、川幅が全く違います。ストリートビューの頃は、単に水位が低かっただけなのかもしれませんけど。
何だかんだでこの日の撮影も無事に終えて、会津塩沢駅から最終列車に乗車し、会津若松へ戻ったのでありました。正直、へばった。
昭和62(1987)年11月2日