ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

埋もれた形式

主電動機の出力アップで新形式となった電車といえば近郊形では111系→113系、401・421系→403・423系、急行形の場合には153系→163系、451・471系→453・473系があります。ただし、抑速ブレーキを搭載した115系165系、455・475系の登場があったことで、163系はサロ163形式のみが7両、473系はクモハ473+モハ472の1ユニットのみという特殊な形式となってしまいました。

横浜駅 301M 急行「東海1号・ごてんば1号」 165系
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サロ163-1 
昭和56(1981)年7月某日撮影

主電動機がないので、サロ152の冷房車版とも言われています。通常は153系の中に組み込まれ、抑速ブレーキ装備の165系とは混結しないと言われていますが、抑速不要区間しか走らないので、165系の中にサロ163が組まれたのだと思われます。手前隣のグリーン車も気になりますが、フィルムはここで終わり、残念ながら撮影していません。もしかするとこちらもサロ163だったかもしれません。

米原駅? 急行「くずりゅう」
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クモハ473-1

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モハ472-1
昭和57(1982)年6月25日撮影

一方、こちらは473系電車。163系の交直流版に相当します。50Hz用の453系はそこそこ増備されましたが、60Hz版の473系は、475系の製造が間近だったために、わずか1ユニットだけで製造が打ち切られてしまいました。
473系は471系と組んだのか、それとも475系と組んだのか、果たしてどちら側についていたのでしょう。

僅少形式なのでその系列だけで独立した編成を組むことはできずに他の形式の中に埋もれ、また外観上もその前後の形式と見分けがつかず、インパクトはないまま見落とされがちとなり、そういった意味でも「埋もれた形式」と言えるかもしれません。

それでも、営業運転に入らぬまま廃車・解体されたキハ285系に比べたらずっとずっとマシな運命だったと言えるでしょう。