札幌市電の鉄北線の「鉄北(てつほく)」も地名であり、「鉄東(てっとう・てつひがし)」「鉄西(てっせい)」とあるものの、「鉄南」はないようです。
でまあ、鉄北線の幌北電車庫を訪れました。廃止が三日後に迫り、それまで入ったこともありませんでしたが、意を決して事務所へ出向き、撮影させていただきました。
ガラ~ンとした雰囲気で、他に人の姿はありません。検修はどこで行っていたのか、そういった事には全く目が向きませんでした。おそらく右の方に設備があったのでしょう。
鉄北線の主流は220形と230形。230形はここだけの配置でしたので、鉄北線の廃止に伴い、230形は全廃されました。
とうとう本線上で撮らず仕舞になったA850形。オリジナルの連結車と違い、「ニコイチ」改造なので2車体4台車です。種車は570形と580形。
ディーゼルカー改造のA870形は鉄北線を走ったのかどうか分かりませんが、とうとう1度も見ることさえありませんでした。種車のD1030形は、ヘッドライト1個の独自の風貌で、鉄北線ではよく見かけていたのですが。
写真のA851-A852は、当初、地下鉄南北線自衛隊前駅の交通資料館に保存されていたのですが、いつの間にか姿を消してしまいました。
木製車体の雪8号、奥には551号の姿があります。551号も最初は交通資料館に保存されていましたが、後に解体されてしまったようです。
雪8号は交通資料館に保存されており、その古の姿を今に伝えています。
本当は615号ですが、601号に変更して交通資料館に保存されています。
220形、230形、A850形以外の車両はすでに廃車になったもので、保存のために留置されておりました。
車庫には窓が少なく、撮影には難儀しました。ストロボなんて持っていませんでしたし。
いつの頃でしたか、酔っぱらった北大生数人が夜中にこの車庫に忍び込み、人力で車両を車庫から引き出したことがあったそうです。単車(2軸車)だったら可能かもしれませんが、何ともまあバンカラというかただのバカというか。
昭和49(1974)年4月28日
昭和49(1974)年4月28日