札幌市営地下鉄 南北線の延伸工事が開始されるのに伴い、僅かに生き残っていた札幌市電 鉄北線の北24条と新琴似駅前間も廃止されることになりました。これは廃止10日前に撮影したものです。
まずは終点の「新琴似駅前」電停。ここで軌道は終わり。私の後方200mほどの所に、国鉄札沼線の新琴似駅があります。駅前というには、ちょっと距離があるような。あと少しだけ伸ばせなかったものでしょうか。左手には市営バスのターミナルがあり、国鉄よりも市バスとの連絡を重視した結果なのでしょう。





背景にはデントコーン畑が広がり、その先には麻生団地の家屋が建ち並んでいます。デントコーン畑には今は「イオン」、かつての「ダイエー」が建っています。滅多に行かないので、今でも「ダイエー」って言っちゃいます。
そして「北三十七条」電停。麻生自動車学校の前になります。この教習所で免許を取得しました。


年配の女性の和服姿。この当時は和服で外出する女性はそう珍しくはありませんでした。鉄道写真を撮るのに、車両や列車だけでなく、こうした「風俗」的なものも写し込むと、その当時の様子を伺い知ることができます。勿論、この写真を撮った高校生の私は、そんなことなど露ほども考えていませんでしたけど。


この10日後の5月1日、鉄北線は廃止されました。最終日の「新琴似駅前」電停は、見送る人たちで大層賑わったそうです。
昭和49(1974)年4月21日