ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

暁の滝川駅

「SLダイヤ情報」という雑誌がありました。SLが運転されている全線区の時刻表と1時間目ダイヤを全て収録してるという、まさにSLファンにとってのバイブルでありました。しかも時刻表には全駅の通過時刻と牽引機関車の形式も載せてあり、更に運用図も掲載していたので、痒いところに手が届くという万全の編集でした。
しかし発行期間が一定ではなかったので、昭和50年の春に発売されて以降、夏には出されず、なかなかやきもきさせられておりましたところ、10月になってようやく出ました。

すでに蒸機が滝川、岩見沢第一、追分の3機関区だけの配置に縮小されていることは知っておりましたが、改めて雑誌を見て、その内容の少なさにガッカリしたものです。誤解のないように添えておきますが、内容が薄っぺらいという意味ではなく、現状を捉えた蒸機の記事があまりに少なくなったというだけのことです。編集に罪はございません。とはいえ、もはや撮影に必要な記事が見当たらないことから購入をためらい、その代わりに自分の目で確かめようということにしました。実は7月の終わりにも一度滝川駅で深夜の観察をしたことがあって、これが2度目の深夜観察になります。最初の時はモノクロネガでしか撮影していなかったのでブログの記事にはしておりませんでした。

深夜観察の結果は、夏の頃と大きくは変わりませんでした。
ただめっちゃ寒くて、着る方は防寒に備えていたものの、足元が夏仕様だったため、足裏がやたら冷たくなり霜焼けになるのではと思うほどで、眠気覚ましを兼ねて駅ホームで夜通し走り回っておりました。怪しさ全開な振る舞いですが、前の晩にちゃんと改札口の駅員には徹夜で駅ホームに居る旨を断り了解を得て、ホームで出会う職員さんにもその都度、「面通し」をしておりました。

イメージ 1
午前4時半頃、発車目前の29657

モノクロネガを使い終えて、カラーネガに切り替えた最初の撮影です。友人に三脚をお借りし、ようやくまともな列車が撮影できるとばかりに、ホームから降りて撮影させてもらいました。前方では他のファンが撮影しております。

この後、機関区へと向かいます。撮影許可をもらうために事務所を訪れますが、「許可は8時から17時までなの」と言われてやむなく退散します。足元が暗くて危険だからというのがその理由でした。ごもっとも。でも、事務所前の機関車が気になってしょうがなかったので、ついついバルブってしまいました。
イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4
D51 561は苗穂工場製です。苗穂工場で製造されたD51は全部で12両あり、237、238、239、240、241、242、489、559、560、561、562、563の各号機です。蒸機終焉の頃、札幌のSTVという放送局が、これらD51の12人兄弟をテーマにした番組を放送しました。内容はとてもよかったのですが、終盤になるとファンから見て、いささか演出し過ぎという場面があって、その演出に使われたのがこの561号機でした。「行方が分からなかった561号機は、滝川で生きていた!」みたいなナレーションにはいささか鼻白む思いでした。

所詮オートカメラなので、あちこちの照明の影響を受けてフレアやらゴーストやらが出まくります。蒸機の写真は断然モノクロに限るという人がいますが、わたしゃやっぱカラーだね、というのがこういう写真を撮ってしみじみ思うわけです。まあ、状況にもよるのでしょうけど。
今では車両基地で車両を撮影させてもらうこと自体、個人では無理でしょうし、蒸気を上げる車両もほとんどおりませんので、こういうスタイルの写真は、イベントでもない限りなかなか撮れないでしょうね。

イメージ 5
ホームに戻ると、釧路行きの425列車が入線してきました。残念ながらDD51による牽引ですが、それでも客車列車は味わいがあるなあなどと思いながらシャッターを切りました。もちっと撮りようがあるだろうと指摘されそうな1枚ですけど。窓ガラスの曇りが外気の冷たさを物語っております。

イメージ 6
下り貨物列車
すっかり明るくなり、次から次と列車や移動する機関車がやって来ます。回送と思われるDD14 1を連結してのなんちゃって重連も、なかなか味わいがあります。

イメージ 7
午前6時過ぎ、いよいよ夜明けです。79602をシルエットに。
寒さが緩んできて、気も少し緩んできたのですが、単1090として79602が砂川へ向けて発車するシーンを感動のうちに見送った後、赤平へ向かいます。未明に機関区では「日中にSL列車はない」と教えてもらっていたのですが、入換だけでも撮ってこようと思ったのです。

昭和50(1975)年10月26日 滝川駅、滝川機関区