ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

雨の中の撮影 登別・植苗

D51 603の全検出場を苗穂で見送り、いよいよ蒸機全廃へのカウントダウンを意識するようになります。
かねてから気になっていた場所が登別にありました。撮影の合間に下調べして見つけた場所ですが、もうあと何度撮影に行けるか分かりませんし、思い立ったが吉日、二日後の5日に登別へ赴きました。

当日、登別では結構な雨が降っておりました。一応、それを見込んでカッパを用意してはいるものの、何ともウツになりそうです。でも、気になる場所へ向かう道すがら、沿線で雨に打たれながら蒸機を待つファンの姿を見かけると、そんな弱気など吹き飛ぶというものです。

虎杖浜方にあるトンネルの上から、虎杖浜方を俯瞰しようという算段なのですが、その場所に向かう道はありません。草むらを掻き分けて見通しのよい場所を探すだけです。

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虎杖浜→登別
何とか開けた場所に出るには出たものの、思ったほどすっきりというわけにはいきませんでした。雨に濡れた草むらを漕ぎ分けたせいで、下半身はすでにズブ濡れ状態です。でももうここまで来たら後には引けず、1時間ほどの間に来る列車を全部撮ることにします。

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危うく存在を忘れていた貨物列車はD51重連でした。あぶねえあぶねえ。

所定の列車を撮り終えると、植苗方面に移動するため登別駅へ引き返します。しかしあまり時間がありません。走ります。二日前を思い出します。思い出しながら走ります。雨の中を走ります。
ギリギリ間に合って駅に到着した時には、下半身のずぶ濡れに加えて、服の中も汗だらけになっていました。水も滴るいい男とは甚だ言い難い、かなりアレな様相だったと思います。
乗車した急行は混雑していて座れそうにありませんでしたが、それよりも、これだけ濡れていては座れるわけもありません。

苫小牧から普通列車に乗り換え、植苗に到着した時、まだ雨は降り続いていました。駅の南側にある踏切を渡り、いつもの場所に向かう途中(現在は、その道はありません、畑になってしまいました)貨物列車がやってきました。慌てて小走りで見通しのきく場所まで走ります。また走るのか・・・。
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遠浅←沼ノ端
登別で見かけたD51重連の列車でした。また存在を忘れていました。しかしご覧の通り、先頭の機関車は隠れてしまいました。遠いしね。

士気を高めて臨んだ登別の俯瞰撮影でしたが、植苗ではもうすっかり力も尽き果ててしまい、雨の中で傘を差しながら、帰りの列車までの2時間半もの間、だらだらと撮影を続けるだけでありました。

昭和50(1975)年10月5日