予備校で授業を終えた後、苗穂工場へふらりとやってきました。廃車になった蒸機でも見ようと思ったのでしょうかね。しかしそこでは、ファンにはかなりキツイ光景が展開されておりました。撮ろうかどうしようか、正直迷いました。でも、感傷的になるあまり撮らず仕舞いでいたら後できっと後悔すると思い、心してカメラを向けました。
D51 149が解体されています。除煙板が取り外されます。その後ろには、すでに車輪だけになった廃車体が見えます。
そこへ、三つ目のDD51 745が甲高い汽笛を鳴らしながら姿を現しました。構内試運転のようです。じゃか~し~わい、といささか胸糞悪くなりました。いつかはお前もな・・・。と、悪態をひとつだけついて構内を別の場所から覗いてみます。
除煙板とランボードの白い縁取りからして多分39679でしょう。3か月前、追分駅で入換に従事し、国鉄最後の蒸気機関車としてフィナーレを飾った3両のうちの1両です。残念ながら翌年に解体されました。
D51 231
あまり馴染のある番号ではありませんでした。炭水車には落書きが残ったままです。
こちらは追分で消失したD51 603の身代わりとなって、上野に保存されました。
跨線橋に戻ると、解体作業は進んでおりました。作業員の方も大変だと思います。止めてくれて結構ですよ。
火花が散り、諸行無常の鉄を切り裂く音が響き渡り、その度に車体から鉄塊が転げ落ちます。もう言葉もありません。
昭和51(1976)年6月23日 苗穂工場