ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

本日のスキャン ウソかマコトか

昭和54(1979)4月7日
苗穂→札幌 3D 特急「おおぞら3号」、1006M 特急「いしかり6号」
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ベテランとルーキー、2本の特急列車がデッドヒートを繰り広げ、札幌駅に滑り込もうとしています。

ってキャプションがこの写真に付いて入れば、そう思いますよね。おーすげーとか言いながら。でも、それ嘘ですから。写真は嘘じゃないけれど、キャプションの「デッドヒートを繰り広げ」が嘘。「いしかり」が信号待ちで停車していたところへ、「おおぞら」が追い抜いて行ったのです。

かように、写真は真実を伝えるわけではありません。まず、写真そのものが偽物の場合があります。

UFO写真や心霊写真やネッシー写真だけでなく、戦時中は時の政府が敵の目を欺くために捏造写真を海外へ向けて発信していました。大日本帝国もやったしソ連もやった。北朝鮮や韓国は今でもやってる。フォトショップがありますからね。素人でも簡単に作れちゃう。卑近なところではアイコラとか。おい、コラとか言われそう。婦人写真はほぼ100%、フォトショップで弄りまくっているとかいないとか。ホクロがないとかシミがないとかホウレイ線がないとか目が大きいとか体が細いとか色が白いとかうんぬんかんぬん。ええ加減にせいよ。

もうひとつは、写真は本物でもキャプションで意図的にその意味を捻じ曲げる場合。
上の写真のような感じです。ただこの程度では演出と言えなくもない。実際にないわけではありませんから。

30年以上前に、森村誠一という作家が「悪魔の飽食」という本を出版して日本中に衝撃を与えました。悪名高き関東軍731部隊満州で行った人体実験の実態を暴いたものでした。これを読んだら南京で1000万人虐殺してもおかしくないと思わせるほど、人体実験の内容は残酷極まりないものでした。でも、その実験成果はちゃっかりアメリカ軍が押収してしまい、実験の首謀者は無罪放免というのですから、戦争勝者の正義なんてのはいい加減です。もっとも、その首謀者は後に開業医として無料で近隣住民の診療や治療を行っていたそうです。贖罪だったんでしょうかね。
話を戻して「悪魔の飽食」ですが、続編の巻頭写真の中に731部隊とは無関係な写真が混じっていたのです。作家の不手際と云えなくもありませんが、この一件により、本の内容そのものに疑問を持つ人たちが現れ検証したところ、証言のみで裏の取れない事象が幾つも出てきたようです。詳しく知りたい方はウィキでどうぞ。意図的ではないにしろ、たったひとつの間違いで他にも間違いがあるのではないかと勘繰られるのは、それはそれでコワイ気がします。シンジラレナ~イとヒルマンさんなら言いそう。教科書に載っていた広島原爆のキノコ雲の写真、あれが実は広島ではなく長崎の時のものだった聞いたときには驚きました。したっけ昨年になり、広島での写真に写るキノコ雲は、実は原爆爆発後の火災によって生じた煙や雲だったとアメリカ側から発表されたりして、もう訳分からん。

鉄道写真に話を持ってゆくと、有名な鉄道プロカメラマンの写真集の中にも、キャプションの間違いが時々見つかります。撮影場所の間違い、撮影日の間違い。ケアレスミスでしょうし、実害はないのでどうということはありませんが、それでももしその写真が何らかの犯罪の証拠となった場合、場所や日付のミスは大きな影響を与えかねません。ですから皆さん、撮影データはしっかりつけましょうね。

ネットに溢れる様々な画像にも、どれだけフェイクが混じっているでしょう。鵜呑みにしてはいけません。幸福の定義があいまいなように、真実も正義も実はあってないようなものかもしれません。嘘つきが「ボクは嘘つきだ」と言ったら、真実が何なのか分からなくなるみたいに。