ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

キロ29

本州でお座敷客車が登場すると、北海道でも負けてはならじとばかりにキハ27を改造した和式気動車キロ29が昭和48(1973)年に登場しました。

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キロ29 3

 

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キロ29 1

 

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キロ29 2

昭和55(1980)年11月3日 札幌駅

 

キロ29 1←キハ27 122

キロ29 2←キハ27 123

キロ29 3←キハ27 124

外観的には一部の出入り扉が塞がれ、グリーン帯とグリーンマークが表示されただけで、あまり目立つ存在ではありませんでしたから、急行列車に併結されていると見過ごしてしまうほどでした。冷房装置は未搭載です。

 

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昭和60(1985)年12月31日 札幌駅

キハ56改造のキロ59和式気動車が画像の塗色をまとって増備されたのに伴い、キロ29も同様に塗色変更が行われました。この時、それぞれの車両には愛称名が付けられましたが、それはホビダスの記事などをご覧ください。

http://rail.hobidas.com/photo/archives/2014/08/2959.html

 

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昭和63(1988)年5月1日 札幌駅

更に国鉄からJR北海道への変革時に更に塗色変更。JR北海道のコーポレートカラーである萌黄色をあしらったものになりました。しかしこの塗色も短命でした。

 

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平成6(1994)年11月13日 函館駅

そして、昭和63(1989)に快速「ミッドナイト」が登場すると、それに準じた塗色へと更に塗り替えられました。色こそ違えど、塗分けは国鉄急行色に近いものになりました。この時、ようやく冷房装置が搭載されたのだと思います。

 

キロ29は鉄道雑誌の新車ガイドに掲載されることもなく(当時は消えゆく蒸機や続々登場する新車ガイド、そして新線開業や消えゆく地方鉄道の記事で溢れていました)、詳細な記事がなかなか見当たらないのですが、「鉄道ファン 1984年7月号 No.279」にキロ59の新車ガイド記事があり、キロ29との比較などが参考になるかと思います。

 

キロ29は北海道のジョイフルトレインの草分けとして活躍しましたが、老朽化により平成9(1997)年に全廃されました。その後継車としてキハ400形式500番代、キハ183系6000番代が改造により登場したものの、すでに需要が減少していたのか、それともJR北海道がヤル気を無くしてしまったのか、現在JR北海道お座敷列車は存在しません。

なおキロ29という形式は、JR東日本JR西日本ジョイフルトレインにも命名されており、こちらはキハ28・キロ28からの改造車で500番代が6両、550番代が4両存在しました。