ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

CT152

江別の鐵様の画像につき、転載はご遠慮ください。

平成27(2015)年1月3日 苗栗(びょうりつ:ミャオリ)鉄道文物展示館

台湾のハチロクです。大正8(1919)年度から昭和3(1928)年度までの10年間に総数43輌が台湾総督府鉄道部に納入されました。当時の形式はE500形式で(公式文書では「E」が使用されていないのと、番号板にも「E」は表記されていないことから500形式とする文献もあります)、昭和12(1937)年の形式改定でC95形式となります。「C」は3動輪軸、「90」番代はテンダ機を表します。余談ですがC92は元E200形式(国鉄8900形式)、D96形式は元E600形式(アメリカ製のキューロク)、D98形式は元E800形式(国鉄キューロク)となっており、1位の数字が旧形式と関連性を持たせています。因みに改形式がなされた後も、現場では旧形式番号が使われていたと云います。

ハチロクに話を戻すと、43輌のハチロクは重量が5種類に分類されるのですが、その区分が製造時期とは必ずしも一致していないため、どういう理由によるものなのか謎となっています。(炭水車の相違によるものとの説があります。)当初は除煙板非装備でしたが、後にC55形式(国鉄C55形式と同型)が登場するとそれに合わせて全機、除煙板を装備することになります。

戦後、日本の統治から離れ台湾鉄路管理局が発足すると機関車の形式改定が再び実施され、C95形式はCT150形式となります。「CT」は3動輪軸のテンダ機を表しますが、「150」という付番の根拠は不明です。

保存されているCT152は元E501号機で、E500号機とともに最初に納入された機関車です。前照灯、カウキャッチャー、煙室戸のストッパーなどに台湾テイストが漂いますが、基本的にはハチロクそのものです。保存状態は良好で無料で公開されているので、台湾旅行の際には是非訪れて欲しいです。