どういう風の吹き回しか、父がトビーのC11を買ってくれました。子供のおもちゃとしてはめちゃくちゃ高い代物です。天にも舞い上がる気分ではありましたが、それを走らすレイアウトがないのでただただ眺めるだけ。で、つい実車の写真と見比べてしまったわけです。おや?ここが違う、あそこも違う。そうなると実車がどんなだったかモット知りたくなり、苗穂機関区で写真を撮ってくることにしました。
相も変わらず中途半端なアングルです。
キャブにも乗っちゃいます。この頃はナンバープレートの拓本を取るファンもいて、ずっかずっか機関車に上がっても注意されたことはありません。
色々と「蒸気機関車の角度」を撮るわけですが、部分的な撮影をしているうちに何とも退屈になってしまい、いつもの車両写真へと切り替えます。
正面を撮っていないC57 177
D51 947 これも中途半端。せめてキャブまで入れてくれ~
D51 662 これなら許せる
C58 419 んんんまああなんちゅうか、こんなもんかえ?ちゃうやろ
D51 1071 狭い場所での撮影ならこんなんでも仕方あるめいか
などと、結局、模型用の写真にしても普通の車両写真にしても、いつものように「何だかな~」で終わっちまいました。
その帰り道、苗穂駅から列車が発車するのが見えましたので、すかさずカメラを構えます。
C58重連 といっても実は単機で、後ろに引く車両はありません。でも、この写真を撮った時、何か来るものがあって、やっぱ模型より断然本物がいい!と目覚めてしまいました。
トビーのC11は、改造しようと途中までバラしていたのですが、実車に目覚めてしまったことで改造への意欲を喪失してしまい計画を破棄、哀れ、2度と機関車の姿に戻ることはありませんでした。
昭和46(1971)年2月7日