ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

C11 207 復元に向けて

平成12(2000)年3月2日 静内町山手公園 C11 207
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今は東武鉄道に貸し出されているC11 207。この頃は北海道でもSL列車が2本態勢になるという期待感から、その2本の列車をどう活用してゆくかという議論も盛んだったのではないかと思います。日高本線での運転も期待されましたが、沿線の牧場から「馬が驚くからダメ」と断られたという話があったとかなかったとか。

静内より搬出

苗穂工場へ搬入

その年の秋に「SLニセコ号」でデビューする筈でしたが、試運転では度重なる動輪軸の発熱により、一番列車はC11 171が代役を務め、一方207は「SLふらの・びえい号」の牽引を交代して務め、足慣らしをしました。順調な滑り出しとはなりませんでした。蒸機の整備は、経験が大きく物を言う職人芸であり、C62 3の引退でその技術が一旦途絶えてしまい、そのツケが回ったのかもしれません。それでも苦労して2両の蒸気機関車を支えてきた工場や協力会社、そして運転所の皆様には頭の下がる思いです。

171とは編成を交換したり、重連を組んだりと、様々な試みもなされましたが、沿線にカメラを構える人数は増えても肝心の乗客の方は客車の定員以上は増えませんから、警備員ばかりにお金がかかる状態となる始末でした。一般人や鉄ちゃん初心者の増加で撮影者のマナーが著しく低下したことにより警備もだんだんと厳しくなり、いたるところで立入禁止区域が拡大されるに及ぶと、もうすっかり嫌気が差して、蒸機列車への興味もすっかり失せてしまいました。

C11 207には新天地での活躍を期待するばかりです。