ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

酔っ払い撮影

「EF15重連スイッチバックの旅」の返しの撮影です。
笹子駅で下車して初狩方面へ向かいました。晴天下の小春日和は、人の心の隙間を広げるようです。ちょっと浮かれて、つい缶ビールを買ってしまいました。行きの列車の撮影達成感と適度な喉の渇きと軽い疲れ、そんな条件下でビールに手が伸びるのは自然の摂理以外の何物でもないでしょう。大人になるって、つらいな。
しかしビールを飲むのは撮影場所に着いてから。5万の地図とにらめっこしながら辺りを物色し、そうして辿り着いたのは小山の尾根沿いの獣道。少々樹木が立ち並んでいますが、間を抜けばイケます。

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沿線にはすでに多くのファンがおります。枝が煩いけれど、この構図はどうでもいいのでこれでいいのです。

特急「あずさ」で最終確認。
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よし、まあ、こんな感じでいっか。
さて、ビールを。木洩れ日の中で味わうビールには、また格別なものがあります。すっかりいい気分になってきて・・・ZZZ。道に座り、眠り込んでしまいました。

その眠りを破る甲高いホイッスルが響き渡りました。「やべ~!」慌ててカメラの下へ急ぎファインダーを覗くも、すでに決めていた位置は通過中。かくて、アドリブでフレーミングです。
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なんでか何枚かは縦位置で撮りました。わざわざ難しいことやってる。

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周辺の景色を入れる目論見をすっかり忘れてしまいました。編成も全然入ってません。

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山陰の中で列車は完全に潰れているのに何枚もシャッターを切る始末。もうヤケクソ。茫然とした状態で山を下り、初狩駅へ向かいました。あ~~、なんでビールなんか飲んじゃったんだろ。後悔先に立たず。後の祭り。


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初狩駅スイッチバック部構内の踏切。ストリートビューで確認できます。この先は行き止まりです。かつてはここにホームがあったそうですが、今はもうスイッチバックをする列車はなく、今でもこの状態であります。

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こじんまりとした駅舎。列車名の「はつかり」は「初雁」。

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本線ホーム。列車待ちのファンの前を上り「あずさ」が通過。
この後、上野原へ行きもう一回撮影するのですが、闇夜の中での撮影で完全に失敗でした。酒が撮影を狂わせてしまいました。と、自分の失敗を酒のせいにするのも自然の摂理、な訳はないぞ。

以来、撮影の時には酒は飲んでおりません。

昭和58(1983)年11月23日 笹子~初狩