ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

鎧の袖、俯瞰

前日に決行できなかった撮影にいよいよ挑みます。香住から乗車した普通列車でロケハンしましたが、残念ながら撮影場所は確認できませんでした。ま、ダメならダメで諦めればいいだけのこと。

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12:51 鎧駅 721列車・544列車

鎧駅に到着すると、下車した721列車は、浜坂発、福知山行きの544列車と行き違いをしました。12系と旧客の並びが見られるのも、そう長くはありません。

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旧客の後方展望は、前方展望と並んで人気スポット。

 

駅から上り勾配が続く県道166号線を汗だくになって進み、県道178号線に出たところで豊岡方面へ左折します。勾配は緩くなって安心したのも束の間、狭いトンネルの中をドキドキしながら潜り抜けました。すぐ先のヘアピンカーブの途中に左へ入る細い道がありました。入り口付近は草ボーボーで、大丈夫かいなと不安になりましたが、ここまで来たら行くしかないと腹を据えて先へ進むと、ウソのように道路はすっきりしました。ちょっとしたハイキング気分になり、夏のクソ暑い日差しもさして気にならず、そして1kmも進まずに、眼下に線路が見えました。期待していた風景が現実のものとなって目に飛び込んできた時の達成感は、俯瞰撮影の醍醐味といえるでしょうか。

列車の通過時刻が迫っていたので、とりあえずカメラを構えました。

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13:42 鎧←香住 だいせん1号

新大阪発、福知山線経由で益田行きの急行列車で、途中、浜田から普通列車となります。新大阪を発車する時は8両編成でしたが、豊岡で2両が切り落とされ、更にこの後、米子で3両が離れ、益田まで行くのは3両だけとなります。画面右端に灰色の部分が見えますが、トンネルに接する覆道の屋根になります。

 

このすぐ先に、ちゃんとトンネルの見える場所がありました。更に先には「鎧の袖」が見えるであろうポイントがあると期待したいのですが、行ったはいいけれど見えなかったら悔しいので、三脚も荷物も残し、カメラ1台だけ持って先へ進みました。

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13:52 鎧←香住 但馬ビーチ3号

僅かに線路が見えました。イメージとはちょっと違いました。岬が「鎧の袖」と呼ばれるところで、「鎧」の地名の由来となりました。そこへ臨時急行がやってきました。1時間目ダイヤもトンネルの見える所に置いてきてしまってスジが全然頭に入っていなかったので、不意を突かれて、先頭の機関車は撮れませんでした。

先程のトンネルポイントへ戻ります。

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14:12 鎧→香住 だいせん4号

到着してすぐにやってきました。急行「だいせん1号」の対になる列車で、益田発の新大阪行きです。

鎧の袖に行く前に、ここで527列車を待つことにしました。

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14:36 鎧→香住 726列車

白帯無しの12系は、ちょっと落ちぶれた姿に見えます。

 

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15:07 鎧←香住 527列車

福知山発、米子行き。旧客だけでなく、12系や50系といった形式が運転されていることにもキチンと目を向けるべきであったと、今更ながら思います。

 

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15:21 はまかぜ4号

鳥取発、播但製経由の新大阪行きです。すぐの「まつかぜ」がやってくるので同じ場所に留まります。

 

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15:28 まつかぜ3号

大阪発、播但線経由の米子行き。

鎧の袖までおよそ10分、機材を担いで急ぎ足での行ったり来たりはゆるくありませんので、今度はカメラ1台と三脚、時刻表・ダイヤなどの資料と飲み物をもち、他の荷物はここに置き去りにして、鎧の袖へ向かいます。

 

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15:50 但馬ビーチ4号

すっかり曇ってしまい、ちょっと気持ちも沈んできました。

 

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16:26 528列車

米子発、福知山行き。

この列車を待っている時に、どこからともなくスズメバチが一匹、遊びにやって来ました。でっけ~。初めてみたのですが、いかにも刺されたら痛そうです。刺激しない様にジッとします。ハチは黒いものに攻撃する習性があると聞いておりましたので、取り敢えず白い手拭を頭に巻きました。それでも、時折体に止まったり、ブンブンと体にまとわりつくように飛び回るのでひやひやし通しでした。次の列車まであと30分の我慢だと、ひたすらジッと大人しくしておりました。

 

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16:58 529列車

福知山発、米子行き。何とかハチには刺されずに、無事に撮影を終えた安堵感に浸って、帰り道を歩いておりました。歩いて数分ほど経ったところで、後ろから足音が聞こえました。「え?」と振り返る間もなく、あっという間にランニング姿の男性が追い抜いていきました。再び「え?」一体、どこからやってきたのでしょう。地図を見る限り、この道は鎧の袖の見えるところで行き止まりになっており、ハチの件もあって先へは進まなかったので、実際にはどうなっていたのかは確認していません。そもそもこの道自体、何のために作られたのでしょう。

それにしても、予期しない出来事が起こると、人間本当にパニックになるものなんだと、この時初めて実感しました。ちゃんと両脚があったので幽霊ではないだろうしね。

スズメバチにもランニングマンにもドキドキな体験をし、置き去りにしていたカメラの入ったバッグも無事に回収して鎧駅に戻りました。

 

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18:29 臨時列車

この当時、ガードレールってなかったのね。

 

この日の晩は鳥取泊まり。鎧発19:03の531列車に乗車しました。

もう少し、引っ張ります。

 

昭和61(1986)年7月26日