ただいま鉄道写真スキャン中

昭和40年代中半の国鉄時代から、21世紀初頭のJR時代までの鉄道写真をご紹介。当時のことやら思い付いたことなどをとりとめなく記しました。

鐵原のS-205とS-304

昭和52(1977)年3月5日 室蘭本線 御崎駅近くの株式会社鐵原。

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S205 日立製作所笠戸工場=966 1938-11-22 S27.04tBt(1067)
車歴

1938-11-22製造→納入;新日本製鉄室蘭工場(北海道)

1950-00-00改組;富士製鉄室蘭製鉄所(北海道)

1951-02-25廃車 譲渡;鉄原室蘭コークス工場(北海道)

廃車・保存;北海道室蘭市

移管保存;工場敷地内に保存

 

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S304 日本車輌名古屋工場=550 1939-07-12 S38.45tCt(1067)
車歴

1939-07-12製造→納入;富士製鉄室蘭製鋼所(北海道)

譲渡;鉄原室蘭コークス工場御崎(北海道)

廃車→譲渡動態保存;北海道三笠市三笠鉄道村

(車歴は沖田祐作著「機関車表」より)

 

国鉄から蒸機が消えて、放心状態のファンも多かったのではないかと思いますが、私自身は大学受験失敗のお陰で、浪人としての受験勉強とカメラを買うためのバイトで気を紛らわせておりました。多少の努力の甲斐あって、翌年の受験では手ごたえを感じ、早速に受験の翌日、気持ちも軽やかに初めて鐵原を訪問しました。

雑誌で紹介されていた通り、構内での撮影はご法度。守衛さんは頑として首を縦に振ってくれません。しかし構外からでも十分に撮影できたので悔しい思いはありません。他に数人のファンもおりました。

産業用機関車というものを初めて目の当たりにしました。国鉄蒸機にばかり目を向け、夕張鉄道や大夕張鉄道の機関車すら無視してきた罪深い私は、もっと幅広く色々な車輛にも目を向けなくてはいけないな~と反省したのであります。

どちらかにしか火を入れていないと聞いていましたが、この日、S-205はお休み。金網の向こうで日向ぼっこです。予備機という位置づけだったようなので、滅多に火は入らないのかもしれません。S-304だけがまだ肌寒い3月に蒸気を噴き上げ、工場から姿を現し、入換作業に勤しんでおりました。

昭和57(1982)年、保存や遊興を目的としない日本最後の蒸機、S-205とS-304が遂に引退しました。S-304は幌内にある「三笠鉄道村」で今でも元気に煙を上げて走行しているのは嬉しい限りです。S-205は同工場で静態保存。両機関車とも、前回のB20よりも余程ちゃんとした造りですね。(笑)

 

江別の鐵様が生きているS-205を撮影していました。何やら鐵原コークスでお祭りがあって、構内への立ち入りがちょっとだけ許可されたそうです。

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構内で撮影された貴重な写真。周囲には訪問者がわんさかいたそうな。

 

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こちらは構外。向こうには室蘭本線国道36号線が走っています。