

「回送」を表示しているのが「すずらん3号」です。「すずらん」同士のすれ違いが他にあったかどうか調べていませんが、手近で狙えるのが苗穂~白石間でのこれら列車でした。しかしこの「すずらん3号」が曲者で、札幌到着前に「回送」表示に変えてしまうのです。終着前にヘッドマークを変えるのはこの列車に限ったことではありませんが、まだ白石を過ぎたばかりなのに早過ぎだろって。


一部のファンの間で話題になっていたこれらの列車は、14:30同時刻の発車です。札幌駅での両列車の並びは、実はこの時に初めて撮影しました。走行シーンは何度も撮っていたのですが、この日は「すずらん」がuシート編成だと聞いていたので、それでuシート編成同士の並びを確実に撮りたかったのです。同時刻発車とはいえ、最終日の発車は「すずらん」が僅かに早く出ました。菊水カーブでは見事に並んでいたようです。

そこへいきなり781系の回送列車が到着し、奇しくも781系3本並びとなりました。同時発車を「すずらん」側のホームで撮ろうか「ライラック」側で撮ろうかと悩んだのですが、「ライラック」は人が多そうだからという事で「すずらん」側に居たことが功を奏しました。
「すずらん」がuシート編成に置き換えられたのは車両不具合があったからと聞きましたので、もしかするとその不具合編成が回送されたのかもしれません。








翌朝始発の送り込みを兼ねた「すずらん8号」が、改正前に785系で運用されました。発車時には「JR」マークが出っぱなしでガックシ。
終戦後、GHQ向けに改造された特別職用車スヤ511という豪華な展望車両には、側面2か所に「JNR 1」と表記されました。しかし目立ちすぎて国民感情に触るといった理由で1週間ほどで消されてしまいました。写真を見ると特別目立つというほどでもありませんが、当時の感覚からすれば派手に見えたのでしょうね。今とは時代も価値観も違いますが、特に必要性を感じない「JR」を車体に表記する理由は一体何なのでしょう。余程JRに誇りを持っているのか・・・などとは微塵も思えませんが。
陰になっていて気づきませんでしたが、隣には781系が。岩見沢か旭川への疎開回送だったのでしょうか。存在に気づいていたら、785系「すずらん」とのツーショットが撮れたかもしれません。

21:00 特急「すずらん9号」

札幌駅を発車する781系の最終定期便はこの「すずらん10号」でした。出発式が行われるでもなく、ギャラリーがわんさか集まる訳でもなく、アナウンスで紹介されることもなく、ほぼいつも通りの発車風景でした。「ライラック」は愛称名が消えますが、「すずらん」は車両が変わるだけで愛称名は残りますからね。

昭和55(1980)年10月に運転を開始した特急「ライラック」は、この列車をもって27年間に及ぶ運行に幕を下ろしました。運転当初から長年見慣れてきた列車が消えるということで、幾分感慨深いものがある一方で、塗色もヘッドマークも編成長も国鉄時代のものではないという幾分醒めた気持ちも混在していました。
最終運用を終えて、781系は全くいつも通りにいつもの姿で札幌運転所へと回送されました。それにしても、この食い入るようにカメラを向ける人たちは一体何なのでしょう。JRになってからでも20年間、7300回も繰り返されてきたシーンなんですけど。最初と最後にしか価値観を見い出せないのでしょうか。

平成19(2007)年9月30日